夏休みに向けて ③

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夏休みに向けて ③

夏休みをいかに過ごすか、は子どもたちにとても大きな影響を与えます。その子の一生に影響を与えることもあるのです。前回に引き続き、子どもたちの夏休みの過ごし方について、是非とも気を配って頂きたいことについて書いてみたいと思います。

 

学び直し

夏休みは「学び直し」の良いチャンスです。「学び直し」は「復習」ではありません。一度習ったことを同じ様な方法で繰り返すのが「復習」、違う方法で学び直すのが「学び直し」です。
小学校の指導は最大公約数的な指導ですので、全ての子どもにあっているとは言えません。実際には、小学校の指導だけでは十分でない子どもたちがたくさんいるのではないか、と思います。そんな子どもたちにとっては、親と一緒に行う「学び直し」が非常に有効です。
例えば、低学年の算数の計算、繰り上がりや繰り下がり、あまりのある割り算、時計などで困っている子どもたちには、数を数えたり計ったりする体験による「学び直し」をお勧めします。
低学年の算数で躓く子どもたちのほとんどは、数の概念に対する理解や実感が追いついていません。そんな子どもたちにどれだけ詳しく理屈を説明しても理解してもらえるはずがありません。詳しく説明すればするほど理解を超えてしまって、聞き流すだけで理解しようとしなくなってしまうことすらあります。

一番簡単な「学び直し」は、買い物や遊びに出かけるとき、途中で見かけた車の数を数えることです。最初のうちは、見かけた車を全部数えるだけです。そのうちにタクシーだけを数えたり、黒い車だけを数えたり、何色の車が多いか予想して親子で勝負してみたり、100台から逆算してみたり、、、、
他にお金を使った「学び直し」もあります。1円玉、10円玉、100円玉の3種類の小銭をたくさん集めて袋か何かに入れておけば様々な「学び直し」に使えます。
袋の中から一つかみの小銭を取り出してその合計金額を数えさせてみるのも良い練習になります。初めは硬貨の金額には関係なく、8枚や12枚などのように数えたりしますが、何度かやって見せるうちに正しく数えられるようになります。
他にも二つかみの小銭を取り出して、どちらが何枚多いか比べさせたり、あわせたら何円になるか数えさせたりするのも良い練習です。「両替」の考え方を取り入れれば、繰り上がりや繰り下がりも無理なく理解させることができます。さらに、あまりのある割り算の説明や、4年生で習う「計算の工夫」の説明などにも使えます。

算数の「学び直し」をさせる際には、忘れないで頂きたいポイントがあります。
できるだけ身の周りにある実物を教材として使い、実際に自分の手や足を使って数えたり計ったりさせることです。

 

なぞなぞ

国語の「学び直し」にはなぞなぞがお勧めです。国語が苦手な子どもの多くはなぞなぞが苦手です。問題の途中で答えを言ったり、勝手な解釈で突拍子もない答えを言ったりします。他人より早く答えることだけに一所懸命なのです。そのせいで文を読もうとする気持ちが不足しているのです。そんな子どもたちに「よく読みなさい」、「何度も読みなさい」などと言ってもあまり効果はありません。
子どもたちにばれないように、なぞなぞの本を買ってみてください。探せば「◯年生むけのなぞなぞ」などの本が見つかります。その本を読んで、面白そうななぞなぞをいくつか覚えておいてください。ちょっとした時間を持て余したときなどに、子どもにそのなぞなぞを出してみてください。「間違いは3回まで」などのルールをつけて、クイズ番組ごっこのつもりでやってみてください。子どもたちが間違えたら、「もう一度、問題を言います。」などと言って同じ問題を出してあげてください。3回間違う前に正解したら、「ピンポ~ン、正解です。」などと言って盛り上げてあげてください。3回間違えてしまったら、「ブブー、残念でした。」などとだけ言って正解は教えないでください。
なぞなぞに応えるには問題文をよく聞いて、その中らヒントを探さなければなりません。なぞなぞ遊びは文を読もうとする気持ちが足りない子どもに効果があります。
「学び直し」は、遊びやゲームの感覚で親子で楽しみながらやってみてください。親子で競争(のふりを)したりするのも良いと思います。ただ、子どもの集中力が途切れるほどしつこくやったりやり過ぎたりしないように気をつけてください。1回の時間は短くても良いので、回数を増やすことを意識してください。

 

しりとり

しりとりも優れた国語の学び直しです。国語が苦手な子どもの中には、言葉を知らない子どもや語彙力が足りない子どもが含まれています。日本語は英語や中国語と違って、言葉の切れ目がわかりにくいことが特徴です。文章の中から知っている単語を見つけながら、読み進めなければなりません。語彙力が足りないと読み下すだけでも負担が大きすぎるので、内容が頭に入ってこなくなるのです。
数ある言葉遊びの中でも、しりとりは語彙力を増やす野に効果的です。特に低学年では言葉の種類(名詞や動詞など)の区別をつけさせることもできます。しりとりに似たゲームの「古今東西」や「花鳥風月」などもお勧めです。お出かけや行き帰りの際の車の中などで家族で遊びながらするのが効果的です。

 

ビデオ鑑賞

普段はなかなか親子で一緒に観ることはできませんから、夏休みの機会に親子で一緒にビデオを観てみてください。
ただ観るだけでなく、鑑賞後などに感想を話し合う時間を作ってみてください。「お父さんはこの○○の気持ちがわかるなぁ。」とか「お母さんはこの人が好きかな。」などと感想を口に出してみてください。子どもたちが乗ってこないようなら、「○○くんはどう思う?」とか「○○チャンも好きでしょ?」などと話題を振ってみてください。相手の意見や感想を聞くこと、自分の意見や感想を述べること、はとても大切な国語の練習です。少し難しい言葉や表現をわざと使ってみるなどして語彙力を増やしてやったり、お互いの意見や感想を比較させて思考力や論理性を伸ばすこともできますし、学習的な効果だけでなく共感力を高めたり、愛着を安定させたりする効果も期待できます。

夏休みはせっかくの機会です。できるだけ親子で一緒に学び直ししてみてください。yamaに声をかけて頂ければ、学び直しについてもっとくわしくお話ししたいと思います。

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