自己肯定感を育てる

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自己肯定感を育てる

自己肯定感とは

自己肯定感という言葉を耳にするようになってから、もう随分久しくなりました。近頃では、自己肯定感という言葉が一人歩きを始めてしまい、本来の意味から外れた意味で使われることも多くなっているようです。wikipediaによると自己肯定感とは「自らの在り方を積極的に評価できる感情、自らの価値や存在意義を肯定できる感情」とあります。簡単に言えば、「その場に自分が存在してもよいと感じる気持ち」、言いかえれば「自分のおかれた状況に対する居心地の良さ」とか「周囲から受容されていると感じる気持ち」などと言うことになるでしょう。自己肯定感が低いと、自分が置かれた状況の居心地が悪く感じたり、周りに受け入れられていないと感じたりすることになってしまいます。また、周居心地の悪さから逃げ出したり、周りに受け入れられるために無理をしてしまったりすることもあるでしょう。自己肯定感とは自己の存在を肯定する気持ちであり、自己の行動や性格を肯定する気持ち(自己正当化や自尊感情)と無関係ではありませんが違うものです。極端なことを言えば、例えば、自分が愚かで悪い人間だと感じながらも自分の存在が受け入れられていると感じていることもあり得ますし、逆に、こんなに自分はよい人間なのに周りから受け入れられていない、と感じることもあるのです。

褒められるだけでは自己肯定感は育たない

自己正当化や自尊感情が自己肯定感とは直結しないことはお分かり頂けたでしょうか。であるならば、その子どもの行いを肯定したり自尊感情を高めたりするだけでは、子どもたちの自己肯定感を高めることはできないことになるでしょう。これが、yamaが「褒める子育て」や「叱らない子育て」に否定的な理由の一つです。もちろん、子どもの行動を全て否定してしまったのでは、子どもの自己肯定感が育つはずもありません。しかし、逆に褒めるだけであったり叱らなかったりしても、子どもの自己肯定感は育ちません。
自己肯定感とは、自分が正しかろうが間違っていようが、良かろうが悪かろうが、裕福であろうがなかろうが、それらには関係なく、あるがままの自分がその場に居ても良い、居て当然だ、という気持ちのことです。正しいとき、調子のよいときなど、成功体験を褒めてやるだけでは、自己肯定感を育てるには足りないのです。

 

成功体験より失敗体験

yamaは子どもたちの自己肯定感を育てるには、成功体験より失敗体験の方が重要だと考えています。何か良いことをしたとき、成功したときには周りから認められ受け入れられるのがあたりまえです。そんな経験を子どもたちにいくら積ませても自己肯定感は育ちません。それどころか、逆効果になることも少なくないのではないでしょうか。成功したときに褒められただけでは、「自分だから受け入れられた」と考えるより、「成功したから受け入れられた」と子どもたちはかんじるのではないでしょうか。それでは自己肯定感は育つはずがありません。むしろ、失敗を恐れたり、結果だけにこだわったりするようになってしまうのではないでしょうか。かえって自己肯定感を阻害してしまうことになりかねません。自己肯定感とは「ありのままの自分を受け入れる気持ち」とも言われます。成功したときだけ受け入れられても育たないのです。

子どもたちの自己肯定感を育てるには、失敗したのに受け入れてもらえた体験や、失敗を一緒にフォーローしてもらった体験、失敗の悔しさを共有してもらった体験などが必要だ、とyamaは考えています。失敗してしまったのに受け入れてもらえた、失敗下気持ちを共感してもらえた、そんな経験がなければ、自己肯定感が育つはずがないのです。いろいろな意味で、失敗体験こそが子どもを育ててくれるのです。子どもたちから失敗体験を奪ってはなりません。

 

失敗させないことより、失敗したあとが大切

目の前の子どもが何か失敗しそうになると、我々、大人は、ついつい手を出したり口を出したりしたくなります。しかし、ぶながやっ子ハウスのスタッフには、そこをグッとこらえて、我慢をする様に伝えてあります。
子どもたちには失敗経験が必要です。大人が失敗させないようにしようとして、先回りしてあれこれと手出し口出ししてしまうと過保護・過干渉になってしまいます。それでは子どもの自己肯定感は育ちません。だからと言って、失敗した子どもをそのまま見過ごしてしまうこともできません。時と場合により、それぞれの子どもにあわせたフォローやケアが必要です。ここでのフォローやケアが子どもの自己肯定感を育てるのです。我々、大人のするべきことは、子どもたちが失敗する前にあれこれ干渉することではなく、失敗した後の子どもたちをフォローしたりケアしたりする事だと思います。

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