夏休みに向けて ②

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夏休みに向けて ②

夏休みをいかに過ごすか、は子どもたちにとても大きな影響を与えます。その子の一生に影響を与えることもあるのです。前回に引き続き、子どもたちの夏休みの過ごし方について、是非とも気を配って頂きたいことについて書いてみたいと思います。

 

親子参加型の体験

夏休みには、できるだけ多くの親子参加型の体験をさせてあげてください。特に低学年にとって親子参加型の体験は重要です。習い事や塾に通わせる以上に子どもたちの能力や特性を引き出してくれます。また、親子で参加することで親子の共感体験が増え、愛着の強化と安定化が期待できます。愛着が安定すれば自己肯定感も育ってきます。

どこかの団体が主催する親子参加型のイベントを利用するのもよい方法ですが、yamaには、それ以上にお勧めしたい方法があります。

一つ目は日常生活の中でのお手伝いです。普段は時間がないのでお父さんやお母さんがなさっている家事を子どもたちにさせてみてください。お勧めは、掃除や食器洗い、洗濯などです。子どもたちが見たことがある身近な家事のお手伝いをさせてあげてみてください。学年が上がってくれば、お料理や部屋の模様替え、日曜大工などもお勧めです。これらの体験は、子どもたちが一人暮らしをするようになった時に役立つだけでなく、子どもたちが末様々な能力や特性を伸ばしてくれます。

 

成功体験よりも失敗体験こそが大切

最初に何度かお手本をやって見せたら、後は子どもたちのやりたいようにさせて見るのがよいでしょう。大人がやった方が早く上手にできるに決まっていますが、うまく早く家事をこなさせることが目的ではありません。自分が満足できる結果を、子どもたちが自分なりに工夫して導き出させることが目的です。思い通りにならずに時間がかかったり上手くできなかったりした時こそ、親の出番です。子どものやり方をよく観察して、何度も引っかっかっているところを見つけたら、何も言わずに子どもの横でお手本をやって見せてやってください。一緒にすることができないようなら、「よく見てごらん」などと言って見せてやってもよいでしょう。あれこれ教え込むのではなく、子どもが自ら学び取ろうとするように仕向けてみてください。上手くできたとか、ここがよくない、などと指摘したり評価したりする必要はありません。上手くできなくても子どもが自ら進んで挑戦する様子を、子どもの気持ちや考えていることを想像しながら、優しい笑顔で見守ってやってください。何度も繰り返し頑張っているようなら、その頑張っている様子を喜んでやってください。もし、少しでも上手くできたら、子どもが嬉しそうにしていたら、一緒になって自分のことのように喜んでやってください。けして褒めてやる必要はありません。子どもたちがくじけずにノビノビと失敗を繰り返す様子をそばで見守ってやってください。子どもたちの失敗を見守るためには、見守る側に充分な時間と精神的な余裕が必要です。普段の生活の中ではなかなかできることではありません。夏休みなどでなければ、子どもたちに体験させてやることができないのです。このような失敗体験は子どもたちの持つ様々な能力を伸ばすだけでなく、親子間の安定した愛着を育ててくれます。子どもたちにとって必要なのは成功体験ではありません。ノビノビと失敗することができる体験、それを見守ってもらえる体験こそが必要なのです。そうでなければ自己肯定感などが育つはずもないのです。

 

自然体験

もう一つのお勧めは、屋外での体験、それも自然環境の中での体験です。自然環境の中での体験は、子どもたちが持つ様々な能力や特性を伸ばしてくれます。そんな体験の中で一番重要だ、とyamaが考えているのは期待を裏切られる体験です。例えば、海に潮干狩りに行ったとしても、いつでも期待通りに収穫があるとは限りません。時にはどんなに時間をかけても全く収穫がないこともあります。それどころか、途中で大雨が降り出して潮干狩りどころではなくなってしまうことすらあります。その一方で、運がよければ思いもかけぬ収穫があったりもします。けして失敗体験と言うわけではありませんが、こんな時にも、子どもの自己効力感や自己肯定感を育てることができます。それだけでなく、観察力や計画力、感受性など、数えられないくらいたくさんの能力や特性を育ててやることができるのです。これこそ人間の想定を超えた自然の素晴らしさだと思います。

 

大切なのは、親子関係≒愛着

ただのお手伝いや自然体験なら、親子参加でなくても体験させることはできます。確かに、親子参加でなくても様々な体験を通して、子どもたちは多くの能力や特性を伸ばしてくれることでしょう。しかし、親子別々の体験では、親子間の良好な関係、愛着を育てることはできません。
近頃、発達障碍や様々な障害を抱えた、いわゆる不安定な子どもたちが増えています。そして、そんな子どもたちの多くが愛着障害を抱えていること、愛着を改善したり安定させたりすることでそんな不安定を軽減できること、などが知られるようになってきています。

安定した愛着を築くには、親子の時間をたっぷり過ごすこと、親子で共感できる体験をたくさん経験すること、などが有効です。一緒に喜んだり期待したり、悔しがったりがっかりしたり、、、
そんな体験を通して愛着が形成され、自己肯定感も育っていくのです。
それだけでなく、そんな時のほんの小さな親の仕草や表情、態度が子どもの性格を決めてしまうのです。
一度や二度、期待外れの結果になったからと言って、すぐに諦めないでください。場所や時間を変えたり、道具を変えてみたり。親がすぐには諦めないで、明るく何度も挑戦する態度を見せてやれば、子どももそれを真似して育ちます。期待通りにならなかったからと言って機嫌を悪くしたり悪態をついたりすれば、子どももそんな風に育ってしまうものなのです。どんなことでもうまくことが運んでいる時には、親の出番はありません。うまくいかなかったときや思い通りにならなかったとき、失敗してしまったときこそが、親の本当の出番、とyamaは考えています。

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