新一年生にむけて

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新一年生に向けて

今回は、もうすぐ小学生になる子どもたちとその親御さんたちに向けてのメッセージです。
入学前のお子さんの親御さんには是非読んでほしいと思います。

毎年、この時期になると、yamaには書こうか書くまいか迷うことがあります。
ぶながやっ子ハウスは塾ではありませんし、能力開発の教室でもありません。
子どもたちの学力を伸ばすことだけがぶながやっ子ハウスの目標ではけしてありません。
しかし、学習が得意じゃないために、学校嫌いになってしまう子どもも少なくありません。どうせなら学校には楽しく通ってもらいたいとyamaは思います。入学前のこの2~3ヶ月の過ごし方で学校嫌いの子どもたちや学習が苦手な子どもたちを減らせるかもしれない、そんな風に考えて、思い切って書いてみることにしました。

 

小学校に興味を持たせる

小学校になると色々と変わることがあります。体操服、ランドセル、勉強道具などなど。子どもたちは新しいものが大好きです。小学校に行く服や道具をそろえる度に、小学校のお話をしてあげてください。どんな教室があるとか、どんな先生がいるとか、どんなことでも構いません。「小学校ってどんなところだろう?」と子どもたちが感じられるように色々な話をしてあげてください。
ただ、ここでいくつか注意してほしいことがあります。

1つめに、「小学校は楽しいところ」だとはあまり強調しすぎないでください。小学校はけして楽しいばかりではありません。嫌いな給食が出たり、他の子に負けたり、先生に叱られたり、、、etc。場合によっては、楽しいことより楽しくないことの方が多いかもしれません。「小学校は楽しいところだ」と過度に期待し過ぎてしまった子どもは、学校へ行く理由を失ってしまうことがあるのです。

2つめに、「あなたは小学校でやっていけるかな、大丈夫かな」などと、不安に思う気持ちを子どもにはあまり見せないでください。親御さんのそんな気持ちは必ず子どもに伝染します。不安を抱えたまま、おっかなびっくり登校することは、子どもたちにとってはそれだけでもかなりの負担になってしまいます。

 

表情で伝えてやってください。

小学校に入学する頃の子どもたちは、おとなが想像する以上に、親やおとなたち、特に母親、の表情をよく見ています。言葉よりも表情を通して色々なことを感じ取っています。
もし、子どもたちに楽しく学校に通ってもらいたいのでしたら、「学校は楽しいところ」だと、言葉ではなく表情で教えてやってください。学校の話しをするときには、できるだけ笑顔で話してやってください。不思議なことに、こちらが笑顔で話しをすると子どもたちの表情にも笑顔が浮かんできます。話すおとなの笑顔が子どもたちの笑顔を生み、子どもたちを楽しい気持ちにせせるのです。学校の話しを何度も笑顔でするうちに、子どもたちは学校にいるだけでどこか楽しい気持ちになるものなのです。

できるならば、もう一つ、お話ししてほしいことがあります。それは、お父さんやお母さんが、子どもたちが学校に通ってくれることを願っていること、子どもたちが楽しく学校に通ってくれると嬉しいこと、を伝えてあげてほしいと思います。親の気持ちを伝えることは、けして、子どもたちに期待を押しつけることではありません。素直に、「□□くんが学校に行ってくれたら、お父さんもお仕事頑張れるな」とか、「○○ちゃんが学校から笑顔で帰って来たら、お母さん嬉しいな」などのように、さりげなく伝えてあげてみてください。学校が始まってから言うのではなく、今のうちに是非伝えてあげておいてください。場合によっては、学校が始まってからでは言えなくなってしまう状況もあり得るのですから。

 

勉様嫌いにさせない準備

子どもたちは競い合うことが大好きです。放っておくとすぐに、誰が一番だとか、どっちが早いとか言い出します。行き過ぎてしまうのは問題なのですが、そんな気持ちもまた、子どもたちの成長にとって無視することはできない大切なものです。

小学校の授業でも子どもたちは競い合います。たまにでも勝てればよいのですが、何度挑戦しても勝てないとわかると、そのうちに、競い合うこと自体を諦めてしまったり、他のことで競い合おうとするようになります。いわゆる苦手意識です。子どもたちにも自尊心はありますから、その様な行いも自尊心が傷つかないために必要なことなのです。ですから、一旦身についてしまった子供たちの苦手意識を払拭することはけして容易なことではありません。勉強でも同じことが言えます。一度、勝てないと認識してしまうと、そこから逃げ出してしまうことがあります。それで勉強が苦手になるだけならよいのですが、それがもとで学校嫌いになってしまうこともあるので注意が必要です。
一方、入学したての頃の競い合いの中で勝つことの方が多いこどもたちは、ますます積極的に競い合うようになります。それだけでなく、次の競い合いでも勝てるように準備や練習を始める子どもたちも出てきます。そんなことの繰り返しがやがて子どもたちの自尊心や自己効力感を刺激し始めます。勉強でも同じです。子供たちが勉強に積極的になってほしいなら、スタートダッシュはとても大切なのです。

入学前の子どもたちが勉強嫌いにならないために是非やっておいてほしいのは、小学校で最初に習う「ひらがなを読む練習」と「数を数える練習」です。

これまでのyamaの経験では、小学校の入学時点でひらがながすらすら読める子どもの多くは、少なくとも低学年の間は、学習が苦手になることが少ないように思います。同じように100まですらすら数えることができるこどもたちは、繰り上がりや繰り下がりでつまづくことも少なく算数が得意になる傾向があるようです。

 

ひらがなを読む練習

ひらがなの練習と言っても、絵本を買って読ませたりする必要はありません。多くのこどもたちは3~6歳頃に文字に対して興味を持ちます。とくに大人たちが読んでいる様子を見せるとそれを真似しようとします。ひらがなに限らず文字は街中にあふれています。街中でよく見かける看板や標識などに書かれている文字を読みあげてみたり、読み方を教えてみてください。子どもたちはすぐに看板や標識が読めるようになります。初めのうちは看板などの場所や特徴で区別して覚えているだけですが、何度も繰り返しているうちに、文字そのものが読めるようになっていきます。
実は子どもたちにとっては、ひらがなよりカタカナや簡単な漢字の方が区別しやすいようですから、あまりひらがなだけにこだわる必要はないと思います。また、子どもたちが興味を持つ様なら、履修学年にこだわる必要もないでしょう。
毎日、2つ3つずつ増やしていけば、読める字がどんどん増えていきます。それだけではありません。普段の生活が学習と結びついていることを教える良い機会にもなります。ぜひやってみて欲しいと思います。完璧に覚えさせる必要はないでしょう。ただ、読める文字が多ければ多いほど、子どもたちは楽に学習に取り組むことができると思います。

 

数を数える練習

算数が苦手になる原因はいくつかあるのですが、繰り上がりや繰り下がりが理解できないために算数が苦手になる子どもはとても多いようです。また、何とか苦労して繰り上がりや繰り下がりを乗り越えたのに、100を超える大きな数の計算で躓いてしまう子どもたちはさらに多い様に感じます。
実は、そんな子どもたちの多くは数を数えることができないようです。ほとんどの子どもたちは1~10までの図を数えることはできます。しかし19の次が何かよくわかっていない子ども(例えば「1、2、3、、、、、18、19、20、30、40、、、」の様に数える子ども)や、10~1まで逆に数えることはできない子どもは驚くほど多いのです。そんな子どもたちにむりやり繰り上がりや大きな数だけを教えても無駄にしかなりません。それどころか、逆効果になることもけして少なくはないのです。そんな風にならない様、入学するまでに、子どもたちに数の数え方を教えてあげておいてほしいと思います。
車でのお出かけの際に、ゲームのようにすれ違う車の数を子どもと一緒に数えてみたり、拾い集めた小石や木の実の数を数えてみるのもいいでしょう。生活の中で出会う様々なものの数を数えさせてみてください。(その際にあわせて、「車は1台2台」、「家は1軒2軒」などの数え方もあげるられればなおよいと思います。)
他にもお菓子を家族で数えながら分けてみたり、100円玉や10円玉、1円玉を使ってお金を数えさせたり。買い物ごっこをさせてみるのもよいと思います。ロケットの打ち上げの真似をして、30秒前や60秒前から秒読みするのも面白そうです。生活の中で、遊び感覚で、子どもたちに数に接する機会を与えてあげてみてください。そんな経験を通して、子どもたちの数に対する概念を育てておいてやってください。うまくいけば、ほんの数ヶ月の取り組みだけで、学習に積極的に取り組む子どもを育てることができます

子育てには予防と段取りが重要

子育てには様々な問題や不安がつきまといます。「いじめられたらどうしよう」、「不登校や引きこもりになったらどうしよう」などなど。そんな問題のほとんどは、起こる前の予防は簡単ですが、起こってしまってからの対処はとてもむずかしいことはご存知でしょうか。

例えば、最近よく見聞きするのはスマホ依存の問題です。スマホを手放せなくなり生活リズムが崩れてしまう子どもたちが増えています。そんな状態になってしまった子どもたちからスマホを取り上げることはおろか、制限することすらとても難しいことです。しかし、まだスマホを持っていない子どもたちにスマホを与えないでおくことはそれほど難しいことではありません。
いじめや不登校、引きこもりなどでも同じことが言えます。問題が起こってしまってから、問題が見過ごせないほど大きくなってしまってから、では対処が難しくなってしまうのです。「まだ大丈夫」などと考えているうちに、どんどん深刻な事態になってしまいます。
子どもたちが小さかった頃のことを思い出してみてください。ハイハイを始めた頃、部屋中をハイハイして周り、見つけたものをすぐに口に入れようとしたりしませんでしたか。そんな時、どの様な対処をなさいましたか。危ないものを子どもたちの手の届かないところに片付けたり遠ざけなりなさいませんでしたか。口に入れても大丈夫なものを準備してそれで遊ばせたりしませんでしたか。yamaはこれこそが子育ての基本だと考えています。段差から墜ちて泣き出したり、何かを飲み込んだり、問題が起こった後のことを考えるのも大切ですが、そんな問題が起こらないように予防したり段取りしたりしておくことの方が簡単で効果的でもあるのです。これから新学期を迎えるこどもたちのうち、一人でも多くが楽しく学校に通ってほしい、とyamaは願っています。

 

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